シンガポールでの運用の始め方2ー証券会社選び

前回の記事では、シンガポールでの運用口座としてCDPアカウントとカストディアカウントがあるという話をしまし、そのメリット・デメリットを見ていきました。

今回の記事では、CDPアカウント、カストディアカウントの別に具体的に比較していこうと思います。以下のページなんかを参考に記載していますが、もしかすると情報は最新でないかもしれませんし、全てを比較したわけではありませんので、あくまでご参考までとしていただけますようお願いいたします。

Online Brokerage Accounts In Singapore

https://www.singsaver.com.sg/investments/online-brokerage

目次

取引手数料について

CDPアカウント

下記の他、フィリップ証券やRHBなど、いくつかありますがキリがないのでここでは参考としてシンガポールの三大銀行を記載しています。取引する有価証券ごとに料率が違ったり、為替手数料や預かり手数料があったりと、単純な横比較が難しいのですが、以下の表ではおそらく取引の中心になると思われる一旦米国株式を取引した場合の取引手数料を比べて見ました。

他の日本株式や債券、オプションなどのより詳しい情報、最新の情報は以下のそれぞれのウェブサイトに記載されていますので、口座開設される前に確認されるのが良いかと思います。また、前回の記事に書いたように各証券口座の他、CDPを別途開設する必要があります。

DBS Vickers
https://www.dbs.com.sg/vickers/en/pricing/fee-schedules/singapore-accounts
OCBC Securities
https://portal.iocbc.com/accounts/basic-securities-trading-account
UOB Kayhin
https://www.utrade.com.sg/home/Faq.html

社名最低取引手数料
米国株
取引手数料
米国株
DBS VickersUS$250.18%
OCBC SecuritiesUS$200.3%
UOB Kay HianUS$200.3%

カストディアン・アカウント

社名最低取引手数料
米国株
取引手数料
米国株
Interactive BrokersUS$1US$0.005 / 株数
SAXO MarketsUS$40.06%
Standard Chartered Online TradingUS$100.25%
TD AmeritradeNo minimum米国上場のものは無料

私がこちらにきて開設したときは、Saxoが最安だったはずですが、なんと今はTDアメリはコミッションフリーでトレードができるようになっています。Interactive Brokersもめちゃめちゃ手数料が低いですね。

私はこちらにきてから長らく、数年前までは圧倒的に手数料が低かったSaxoを使っていましたが、ちょっとこれを見ると考え直したくなります。ただ、正直なところ0.1%未満とかだとよっぽど短期売買を繰り返すのでなければ誤差に近いと思うので、あとは使い勝手で選べば良いのではと思います。

また、上記の単純な取引手数料だけでなく、実際にはSドルで入金する場合には、USDに替える際の為替手数料や金利、預かり手数料なんかも判断要素になってくると思います。

私は、以下にも記載しますが、Saxoの日本語での取引画面に慣れてしまったので、よっぽどのことがないと変えないかなとは思います。ただせっかくなのでTDアメリでもデモアカウントなど試してみようとは思います。


使いやすさ

送金の便利さ

銀行系のCDPアカウントに関しては私は使っていないのでわからないですが、銀行系のものは、自分の銀行口座と紐づくため、当初の入金などは少し楽なのかもしれません。ただ、シンガポール国内の送金だと、通常無料のことが多く、1日中ではネットでの振り込みで簡単に入金できるので特に不便だとは感じません。

マルチカレンシーで投資ができるか

通常、口座を開く際には、Reference Currencyを選択することになります。Reference Currencyというのはまた概念が難しいのですが、その口座で表示される通貨ということになります。ここで注意が必要なのは、Reference CurrencyをSGDとしている口座でUSD建の証券を売り買いすると、売買の都度、両替が発生することになり結構なコストとなってしまいます。また、USD建で支払われる分配金なんかも毎回SGDに自動で両替されて入金されることになります。

こうしたことから、(米国株・ETFしか投資する予定がなければ)例えばReference CurrencyをUSDにしておくか、または通貨ごとに口座を開くことを、おすすめします。なおSaxoでは私は今のところSGD口座とUSD口座を開いています。SGD口座ではSREITのETFを積み立て、USD口座ではいくつかのETFを積み立てしています。

取引画面の日本語設定の有無

日本人にとっては、取引画面が日本語の方がわかりやすく、馴染みがあったりするかと思いますが、上記記載の証券会社のうち、Interactive BrokersとSaxoに関しては日本語にできることが確認できました。もちろん全て確かめたわけではないのと、アップデートなどで日本語対応になっていく可能性もあります。

使いやすさについては、一度決める前にデモで体験してみるのが良いかと思います。その際、上記の点に加え、海外ETFなどの商品の取扱いがどれくらいあるのか、取引画面などが見やすいか、などを確認してみるのが良いかと思います。


ちなみに私はSaxoを使っていましたが、現在は勤務先の都合により閉鎖しています。商品やプラットフォームなんかは十分に使えたかなと思っています。

それでは今日はこの辺りでおしまいにしようと思います。